髪を切るだけが美容師じゃない。「エザキヨシタカ」がカリスマと呼ばれる本当の理由

みなさん、こんにちは。
インタビュアーのToshiです。

突然ですが、みなさん美容師さんってどんなイメージがありますか?
一般的には、おしゃれとかチャラそう、というイメージが大半だと思います。
実際、マイナビの調査では、チャラいイメージのある職業TOP3に入っているんです。
そんな美容師の中に、”カリスマ”と呼ばれる人が存在します。

え?美容師のカリスマ?切るのめっちゃうまいとか?けど誰がそんなこと判断するの?
そんな疑問がよぎると思います。最初は僕も、そんな風に思っていました。
しかし、今回インタビューさせていただいた美容師界のカリスマ「エザキヨシタカ」さんは、そんな浅はかなものではなかったのです。
一体なぜ彼がカリスマと呼ばれるようになったのか。

是非最後までお付き合いください!

▲写真左:インタビュアーToshi/写真右:エザキヨシタカさん

1985年、長崎県に生まれたエザキヨシタカさん。
高校は県内でも有数の進学校に通ってた彼が、なぜ美容師になったのか?
日本1を目指して美容師という職業に向き合う彼に、インタビューしてきました!

母を楽にさせたくて

Toshi

こんにちは。バカレッジの山田です。本日はよろしくお願いします!

エザキさん

こんにちは。エザキヨシタカです。よろしくお願いします!

Toshi

率直な疑問ですが、エザキさんって子供時代はどんな感じでしたか?

エザキさん

うちは親が母親しかいなくて。年子の兄ちゃんと一緒に過ごしてた。小学校とかでは学級委員とかを任されるタイプで、いわゆるガキ大将系だね。下の子とかも結構慕ってくれてた、リーダータイプ。中学生くらいになると、だんだんやんちゃになってきて。その頃は勉強とかも全然してなかったな。

Toshi

高校で進学校に行かれたのはなぜだったんですか?

エザキさん

兄ちゃんが突然、その進学校に行くことになって。本当に県で1、2を争うくらいの。お金の負担はなるべくかけたくなかったんだけど、そこは公立だったし、僕も頭悪い高校行ってる場合じゃないなって思って。そこから勉強し始めて、晴れて兄ちゃんと同じ高校に行くことになった。でも当時は、中学の頃つるんでたやつらと高校にいる人が違いすぎて。なんだこの頭のいい人たちは…みたいな(笑)。やっぱり自分も性の合うやつらと関わっていたかったから、学校もあまり楽しくなくて、さぼったりもしてた。

Toshi

周りの環境って大事ですよね。そんな中、なぜ美容学校に行こうと思ったんですか?

エザキさん

僕にとって大学ってすごく遊ぶイメージが強かったんだよね。
今だったら凄く色々な職業を知れる時代になっているから、国立私立行って、どんな企業に行ってとかイメージしやすいのかもしれないけど。例えば、山田君は出身どこ?

Toshi

僕は埼玉県です。

エザキさん

埼玉県とかだとまだ、社会に対するイメージが抱きやすいかもしれないけど、僕の住んでた長崎県って、そういうところと比べるとすごく世界が狭くて。就職率もまだまだ低いし、職業も少ない。高校の先生は、国立とか早慶とか、東京の有名で頭のいい大学に行きなさいって言ってたんだけど。当時の僕はニュースで大学生が何をやらかしたとか聞くたびに、これから先、おかんにお金出させてまでそんなわけのわからない場所に、行く必要があるのかなって思い始めて。兄ちゃんはその後、国立の大学に進んで首席で卒業してたけど、僕は早く働きたいなって思いの方が強かった。
そんな時に美容学校に見学に行ったらすごく楽しくて!先生からも大反対食らいながら、資料請求して、日本1になれるであろう美容学校を探して。
そしたらそれが福岡県にあったから、もうそこに入ろうって決めた。

Toshi

突然の美容学校ですね(笑)。

エザキさん

まぁ、僕らが小中学生くらいの時に、ちょっとした美容師ブームみたいなものがあって、それも頭の片隅にはあったと思うんだけど。後は、とにかく楽しいことをしたいって思いもあった。結局勉強もおかんに楽させたいって思いでやってたから、なにか自分のために楽しめることはやりたくて。その点、美容学校はめちゃくちゃ楽しかったから、そこに決めたって感じだったかな。

Toshi

すごい決断ですね。ちなみに、それっていつくらいの時でしたか?

エザキさん

高校1年生の半ばくらい。
それからは美容学校に通うお金稼ぐために、55年間バイト禁止だった学校に土下座で頼み込んでバイトさせてもらって(笑)。それまでサボってた学校も、進路が決まってからはちゃんと行って勉強もしだした。

Toshi

決断してからはもうそこに向かって一直線って感じだったんですね。

エザキさん

うん。で、入ってからはひたすら日本1を目指しながら”職業”として、美容師をやってます。

Toshi

めちゃくちゃストイックですね…。


▲ショーの風景

”職業”として向き合うということ

Toshi

今出てきた”職業として”という言葉。ここに関してもう少し詳しく教えて頂けますか?

エザキさん

そうだね…。
例えば、有名になりたい、すごい人になりたい、とかそういう憧れみたいなもので職業を選んだら、それって昔のサッカー選手になりたいとか芸能人になりたいっていうのと一緒じゃない?

Toshi

確かに、そうですね。

エザキさん

でも職業ってのは、自分の能力値を考えて、できることを判断して向き合うことだと思っていて。10人美容師さんを並べたら、やっぱり他人から見ても、この人すごい腕良さそうだなとか、この人大丈夫かな?みたいな人っているわけじゃない?

Toshi

分かりますね、それは。

エザキさん

でしょ。フレンチの職人が汚い服着てたらなんか嫌だし、めっちゃ和食の達人みたいな見た目の人がフレンチ作っててもやっぱり変な感じするし。それぞれの職業にあった人材とか人柄ってあると思うわけよ。じゃあ、美容師さんには一体何ができるの?って考えた時。普通だったら髪を切るとか、シャンプーをするとか。でももっと壮大な言い方すれば、人を幸せにするとか、その人の人生に寄り添える人とも言えるじゃない?

Toshi

(そんなことまで考えてやってるのか…。)

エザキさん

でももしそうだとしたら、有名になりたいとかってちょっとズレてない?

Toshi

一気に自分本位な感じになりますね。

エザキさん

そうそう。
そして、じゃあなんで美容師さんにお金が入るの?って言ったら、それはお客さんのお陰であり、会社のお陰であり、業界のおかげであり。けれども、自分本位になっている人のところには、お金なんて絶対払いたくないじゃん。

Toshi

絶対嫌ですね、自分とちゃんと向き合ってくれていない感じがして。

エザキさん

ね、なんか寂しいよね。
そういう意味で、職業としてやれてないって人は意外と多い。でもそういう人達はやっぱり、魅力がない。たまにうまくいくかもしれないけど(笑)。憧れというのもなんかなあ…例えば会社に入って仕事したとして、誰に憧れる?

Toshi

うーん…。

エザキさん

多分あんまりないでしょ?
例えば、広告代理店に入りたいって言ってる人って、誰かに憧れてそう思ってるのかな?

Toshi

いえ。僕の知り合いは、スポーツのブランディングをしたくて広告業界目指してましたね。

エザキさん

そういう思いがあって向き合うのが、職業じゃん。
けど、美容師さんの場合は、エザキヨシタカに憧れて、とか雑誌に載りたい、とか。そういう人が多い。
もちろん、この人の"人を大事にするところに憧れてます"とか、そういう憧れはいいと思うけど。結局僕たちは仕事を通して、誰かの何かのためになることをしているから。
それができてない美容師って、社会貢献も何もできてない。誰も幸せにできてないから、お金も集まらない。

Toshi

すごく、仕事の本質って感じがしますね。

エザキさん

うん、そうやって職業に向き合っている人って、どんな職業の人でも対等に話せるんだよね。それこそ、娘の幼稚園には、すごい人がたくさんいるし、色々な繋がりで社長さんにもたくさん会うけど、みんな相手の仕事やその人を敬ってお話ができるし、そういうことができる人って年齢や過去とか関係なく、みんなかっこいい。
結局は他人から見てかっこよく生きられているかどうか。娘のためにも、かっこいいお父さんでいたいしね。

Toshi

そういう意識でいるエザキさんだからこそ、みんな惹かれるんですね。


▲娘さんとの写真(言葉通り、かっこいいお父さんですね…!)

”家族”を増やすことで、仕事が舞い込む

Toshi

エザキさんは今、具体的にどんなお仕事をされていますか?

エザキさん

ミルボンってメーカーに、「日本一女性の抜け感カットが上手い美容師」と評価して頂いて、ジェミールフランジェルクリームというものを作らせて頂いたり、中野製薬でモデニカナチュラルっていうメンズワックスを出したり、そういう材料のプロデュース。
それから全国の美容師さん向けに、カットの講習会やったり、本を出したり、違う業種とのコラボイベント開催したりとか。職域というものを広げて、本当に色々なことやってるな。

Toshi

すごく携わっているお仕事、多そうですよね。

エザキさん

今回のインタビューもそうだけど、僕は毎回120%で人と関わってるから。関わった人は”家族”だと思ってきちんと向き合っていく。そういう風にやっていくと、自然とみんな一緒にやりましょうよって、言ってくれてどんどん仕事が舞い込んでくる。もしかしたら君だって、10年後大社長になってて、一緒に仕事してるかもしれないし。

Toshi

大社長…なってたらびっくりですね(笑)。

エザキさん

でも、人の可能性なんてわからないじゃん!だからある意味、こうやって人と向き合うってのが、今の自分の仕事かな、とも思う。
岩崎弥太郎だってそうでしょ?高知県の田舎に生まれて、そこから人との関わり合いの中で三菱とか作ったわけじゃん。今は世の中に色々なものが出過ぎているけど、それをうまく拾って可能性を広げていくのは、やはり人との関わり合いだなと思うよ。どれだけ人を魅了するか。例えば、この間うちの美容師がホームページを作ろうとしてて、ずっと色々頑張ってたから、いいもの作るのかなと思いきや、あんまり大したことなくて。結局プロの人に任せた方がいいものできたじゃんって。その頑張った分の時間とお金が無駄になっただけ。どうしても、一人でできることって限られてしまう。

Toshi

人との掛け算で仕事をしていくってことですか?

エザキさん

そういうこと。人と協力すれば、効率よく楽にできるじゃん。
しっかり自分のできることの範囲を知ったうえで、いかに人と協力してやっていくか。自分がやらない強さも必要。

Toshi

自分ができないことは、他人に託していく、と。

エザキさん

ううん。他人はだめ。”家族”だよ。他人に任せちゃだめ(笑)。

Toshi

あ、そうでした(笑)。

エザキさん

今のこの時間も例えるなら、子供時代にサッカーやってたら、気が付いたら知らない上級生とやって、仲良くなってた、みたいな。その時は、ただ一緒にサッカーやるのが楽しくてやってたのに、もしかしたら、その繋がりでいつか仕事とかやってるかもしれないじゃん。けど、人って成長していくと、なんか利己的になってくる。相手のことをあまり考えずに、自分の利益ばかり追い求めて。でもそんな関わり合い、全然わくわくしない。それと違って、家族は一生涯一緒にいるじゃん。家族だったら、その人のために「何かしてあげたい」と思うじゃん。僕の周りにいる凄い人って、そういう事が当たり前にできてる人だと思う。

Toshi

なるほど。

エザキさん

人って家族のためだったら、無償で何かしてあげたい、助けてあげたいって思えるじゃん?僕にはその家族がいっぱいいる。だから上手くいく。でも、もし相手が自分をそう思ってなかったら、当然上手くはいかないよね。お互いがお互いの幸せのために何かやって、初めて仕事って上手くいくんだよ。

Toshi

家族のため。なんか素敵です。

エザキさん

家族を幸せにしたい。その思いが形になって、手に宿ることで色々な仕事が生まれると思うんだよ。それはすべてのことに例外なく共通することで。相手に幸せになってほしいという意識でやっていけば、僕はどんな職業でもうまくいくんだと思う。

...ちょっと待ってね。

――エザキさんが少し席を外す――

エザキさん

今さ、息しにくくなかった?実は換気扇が回ってなかったんだよね。

Toshi

そうだったんですか!?

エザキさん

うん。やっぱりこういう微妙な変化に気が付けるかどうかだと思うんだよね。例えば、パーマ巻いてて換気扇回ってなかったら、お客さんに毒を吸わせてることになるんだから、幸せになんてできっこないよね。少し壮大な話になるけど、時の流れも空気の流れも、人生の流れも、1つのストーリーがあって、止まらないわけじゃん?僕らはお客さんの髪に触れることで、その人の人生に触れてる。流れがあるのに、止まっているもの作ってたら絶対うまくいかない。そしたら、小さな変化にも敏感になれなきゃ、絶対うまくいかないよね。

Toshi

深いですね。

エザキさん

それに、やっぱり人より努力してきたから、そういうことにも気が付けるんだと思う、僕は。


▲講演会の様子(ここでの出会いも全部大事なものなんですね。)

”行動”してこそ努力

Toshi

そこも聞きたいです。エザキさんってどんな風に努力をしてきたんですか?下積み時代から、どう行動してきたんですか?

エザキさん

極論言ったら、僕はただ行動していただけ。例えば、みんなが寝た2時以降、街に残ってお客さん見つけたりとか。いくら努力したといっても、プロだったら結果出さなきゃ意味ないからね。今でもよく、エザキさんってどうやって時間作ってるんですか?睡眠時間どうなってるんですか?とか聞かれるけど、どんだけ疲れてても、僕は次の場所に向かってるからね。そこで動けるかどうかじゃないかな。

Toshi

やっぱり、行動力って大事なんですね。

エザキさん

でも、ただ行動するだけじゃやっぱりだめで。人に何か伝えようとか、ためになりたいと思って行動する人と、ただ行動する人じゃ、やはりそこに差は生まれると思う。

Toshi

どんどんエザキさんの魅力が深まっていきますね。
今後エザキさんが何かやりたいことってありますか?

エザキさん

2つあるかな。
1つは、今商品開発に携わっているから、東京オリンピックまでに日本を代表する商材を何か作りたい。美容室の間でだけじゃなくて、世の中に送り出したい。もう1つは、国から賞状をもらいたい。

Toshi

すごい壮大ですね。

エザキさん

やっぱり、今の時代は外に打ち出さないと。日本の強さで世界に打ち出したい。それに、美容師っていう業界ももっと大きくしたいなと思う。もっと美容師さんのやれることを増やしたい。せっかくお客様の人生に携われるんだから、そこをもっと活かせれば、可能性はたくさんあると思うんだよね。

就職するときは”いい意味”で盛れ

Toshi

ありがたいお話ありがとうございました。
最後に、エザキさんから大学生へメッセージをお願いします。

エザキさん

とにかく、まずは学校で用意されてるカリキュラムに本気で向き合うことが大事だと思う。そこで学べることは、後で絶対無駄にならないから。その時間を絶対に無駄にしないこと。その中で何か見つけられたら、その経験を活かして努力できるじゃん。もしそのまま就職したとしても、その人がそこに選ばれるだけの努力をしてきたってことだから。もっと胸張っていい。仮にもしその後、何かやりたいことを見つけたいのだとしたら、なおのこと今努力した方がいい。そこまで迷える子羊だったとしても、何かを見つけた時、めっちゃ脚力のある子羊だったらめっちゃ走れるじゃん。そうなれるだけの力をためることが大事だと思う。
迷ってるなら、今目の前のことに対し、努力すること。たとえ1回の飲み会でも、いかに相手に楽しんでもらえるかを意識したりとか。

Toshi

当たり前の事のようですけど、すごく大事なことですね。

エザキさん

うん。後は、就職する時は、いい意味で自分を盛ること。意識して変えられるところを変えていくことで、自分の理想に近づいていく。僕だって、講演会に立つ時とか、美容師として髪を切る時は、カタカナのエザキヨシタカとしてやってる。本当の僕は、人前に立って何かやりたいタイプではなかったんだけど、カタカナのエザキヨシタカはそこで人を感動させることができる。なりたい自分に自ら近づけ、意識することで、少しずつ変わっていけばいいと思う。

Toshi

僕も、小さなことから、意識して変えていこうと思います!
今日は貴重なお話、ありがとうございました。

ほんの少しの意識で、未来が変わる

今回は、カリスマ美容師、エザキヨシタカさんのインタビューでした。

インタビューの後「二人で写真撮ろうよ!」と言って、一緒に写真を撮ってくれたエザキさん(冒頭の写真)。
僕自身、すごく心地よく、かつ影響を受けたインタビューでした。

一緒に仕事をする人をいかに幸せにできるか。

大抵の人は、つい私利私欲に走り、自分本位になりがちです。
しかし、本当に第一線で活躍ができる人は、相手がどうすれば幸せになれるか、居心地のいい空間を作れるのか。
そうしたことを常に考え、行動できる人なのだな、と感じました。
何事にも、どんな人にも全力で向き合う。1分1秒の時間も無駄にしない。
そういう精神を持ち続け、ほんの少し、意識を変えるだけで、未来は大きく変えることができるのかもしれません。
現在何をしたらいいかわからず、迷える子羊の大学生(僕もですが…)が、めちゃくちゃ走れる脚力を持った子羊になれますように。

エザキさんのInstagramはこちら
エザキさんが代表を務める、美容室gricoはこちら

ライター紹介

Toshi

慶應義塾大学法学部政治学科3年生。元バンドマン。人生を楽しくがモットー。好きなバンドはUVERworld、嫌いな食べ物は納豆とパクチー。

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