迷ったら全部やれ。大手広告代理店を経て区議会議員になった横尾さんにインタビュー

こんにちは。インタビュアーのセリナです。

今回は、会社を辞めてNPOの代表となり、今は区議会議員をやっている横尾さんにインタビューしました。

横尾さんが考える、スクエアキャリアという新しい働き方とは?
やりたいことが多すぎて困っている、一つのことにしか手が付けられない、色々な悩みを抱えた大学生必見のお話です。

それでは、早速秘訣を探っていきましょう!

行き当たりばったりの人生

セリナ

こんにちは、本日はよろしくお願いします。

横尾さん

横尾です、よろしくお願いします。


▲横尾俊成さん

セリナ

港区議会議員やNPOグリーンバードの代表など、いろいろな事をなさっていると伺いました。まずは今までどのようなことをされてきたのか、詳しく教えていただけますか?

横尾さん

私の人生は一言でいうと“行き当たりばったりの人生”です。昔は図書館で勉強したり生徒会の役員をしたりするほど真面目でした。私自身これが嫌だったのですが、なかなか変えることもできず、高校までこのままきてしまいました。大学生になったら思い切り遊びたい!と思い、当時興味のあった心理学を学べるいくつかの大学の中で一番遊べるであろう大学、早稲田大学に進学しました。

セリナ

それで早稲田大学はすごいですけどね(笑)。

横尾さん

大学時代には髪を金色にしてみたり、悪い系のサークルに入ってみたり、とにかくいろんなことをしました。


▲遊び尽くしている横尾さん

セリナ

大学デビューですね。

横尾さん

そうです!
ですが遊び呆けるにつれて、遊ぶのにも限界があると気づいてしまったんです。私はきっと日本がダメなんだ、アメリカならもっと楽しいことができるに違いない!って急に思い立って、大学2年生の時にアメリカに留学しました。これがちょうど2000年の時です。

セリナ

思い立ってアメリカですか、すごいですね!

横尾さん

行き当たりばったりの一つ目ですかね(笑)。帰国して間もなく2001年、9.11が起こって、私にとってすごく身近だったルームメイトの親戚を亡くしました。でもここで私は何もできなかった。今まで遊んでばかりいて勉強していなかったことに対して“ヤバい”と感じました。大学を出て就職してもどうせ何もできないと思い、大学院に進学することにしました。

セリナ

そうだったんですね。大学院では何を学ばれたのですか?

横尾さん

9.11の影響からイスラム社会学を専攻して、大学院1年生の時には友人と海外の紛争地域の学生を日本に呼んでシンポジウムを開きました。「とりあえずやってみた」という程度だったのですが、結果いろいろなところから取材を受け、意外と成果があったんです。それと、これを開催するにあたっていろいろなNPOやNGOからアドバイスをいただいたのをきっかけに、自分と似たようなことをしている人がたくさんいることを知りました。

セリナ

ここでNPOと出会ったのですね!

横尾さん

そうです。ですが、いくら良いことをしているからと言っても、関心の無い人には伝わらない。NPOに関わって、社会にいいことやものをより多くの人に伝え、そこに人とお金を集めることをしてみたい!そう思いました。だけど自分にはまだスキルがない。そこで、大学院卒業後は広告会社に入社しました。もともと勉強して自分で使える武器を手に入れたら会社は辞めるつもりでした。

セリナ

辞めるつもりだったんですか!

横尾さん

はい、そしたら配属先の担当役員に「なんかお前すぐ辞めそうだな~」って見抜かれてしまいました(笑)。入社後ですから、私は「辞めます!」って答えて。そのかわり働いているうちはちゃんと仕事をすると約束し、私はほぼ毎朝1時間早く出社して企画書などを書きました。

セリナ

毎朝企画書ですか!どんなことを書いていたのですか?

横尾さん

国内目線だけでなく、海外目線からもアプローチをしました。例えば、当時CSRという言葉が知られてきた頃だったのですが、世間にそれを推進しながらも自社では何もしていなかったので、プレゼンをしてCSR部署をつくるべきと訴えました。

セリナ

部署の創設までですか!

横尾さん

はい。さらに、CSRで自分たちができることとして、コミュニテイーベースでできる、NPOのグリーンバードを立ち上げました。これが楽しくなってしまって、後に会社を辞めることになります。ある時グリーンバードの活動としてごみ拾いをしていたら、区で雇われている清掃担当者に「ここは僕たちがやるところだからやらなくていいよ」と言われたんです。自分たちは楽しくてやっているのに場所を取られ、そのうえ相手が私たちの税金で動いている人たちだなんて、ショックでした。このように一般市民がやってみれば楽しいことなのに自治体がやってしまっている、というようなものが他にもあるんじゃないかと思ったんです。


▲ゴミ拾いの様子

セリナ

その出来事が、区議会議員になったきっかけですか?

横尾さん

そうですね!あとは、会社で政治関係のことを担当した時にいろいろな課題が見えてきて、政治を変えなきゃ!と思うようになりました。それで区議会議員に立候補し、今に至るという感じです。ちなみに、その延長線上で、行政やNPOの仕事がもっと注目されるといいなと思い、友人とマチノコトというメディアもつくったんですよ。政治や社会を変える方法をナレッジにもしたいと考えて、今は大学院の博士課程にも通っています。

セリナ

産官学に加えてNPOのソーシャルでスクエアキャリアですかね!?

横尾さん

トリプルキャリアならぬスクエアキャリアですね!


▲区議会議員を務める横尾さんの様子

行き当たったら挑戦してみる心得

セリナ

なるほど。ありがとうございます。横尾さんはやりたいと思ったことをいろいろやってらっしゃるんですね!

横尾さん

行き当たりばったりですから(笑)。

セリナ

すごいことだと思います。今の学生も、やりたいことはいっぱいあるけど、はじめの一歩を踏み出せない人が多いと思うんです。横尾さんは、どのようにすれば一歩目を踏み出せると思いますか?

横尾さん

うーん。私がよく思うのは、絶対にうまくいく方法なんてない、ということです。完璧を求めていたら何もできないし、それって世の中的に考えても何も意味がないじゃないですか。日々世の中は変化しますし。私の場合、高校までは正しいことを求めすぎていました。怒られないようにしよう、とか。そこにたまたま9.11の事件がおきます。当時の私は何もできなかったけれど、逆にいうとその大きな事件に対しての正解だってないわけです。

セリナ

絶対にうまくいくわけじゃない、確かにそうですよね。

横尾さん

はい、もうひとつ思うことがあって、迷ったら全部やれ!と思うんです。私は大学1年生の時に、留学したいけどお金がない...、バイトをしなくちゃだけど遊びたい...って、いろいろ天秤にかけたのですが、ある時“結局大したことは何もしていない”ということに気が付きました。迷ったらとりあえず全部やってみるというのがこの時に決めた行動指針です。

セリナ

そう決めたら、言い訳できないし逃げられないですもんね。

横尾さん

そうです!2つ選択肢があったらまずはどっちもやってみます。やってみる前に1つの選択肢を切ったとしても、その切った選択肢はいずれ上がってきますからね。両方やったからって、学生のうちは辞めたい放題ですよ

セリナ

辞めたい放題、ですか…!やりたい放題は聞きますけど、辞めたい放題は初めて聞きました。

横尾さん

ほんとに辞めたい放題ですよ!やってみてから、辞めるんです。社会人になってからでは学生の時ほど簡単に何でも辞めたりはできませんからね。

セリナ

たしかに…。あ、でもその時に辞めるか辞めないかの基準は何ですか?

横尾さん

大体のことは、べつに”自分”がいなくてもいいな、って思います。もちろん、自分しかいない!ってものに出会えたら最高だと思いますね。でもそんなのを見つけられる人なんてほとんどいないし、逆に人生でいろいろ挑戦することは、それを探しに行く旅でもあると思うんです。

セリナ

なるほど。

横尾さん

でも逆に、自分がやらなきゃダメじゃん!ってことは、あります。私の場合はNPOのことを伝えることだったり、区議会議員として今やっていることとか。他の人がやってない課題に自分が出会う、っていう感じですね。これらを辞めるのは、もう自分がいなくてもいい、って思った時です。あとは、たとえ成果が出て周囲に認められたとしても、どう考えても楽しくなかったら辞めちゃいます。やっていても仕方ないですからね。

就職するのはどこでもいい

セリナ

就活活動やインターンシップなど、就職で悩んでいる学生へメッセージをお願いします。

横尾さん

悩みすぎ!!就職するのはどこでもいいよ!って思います。すでに選択肢に入ってる会社なんですから。私も実は、広告会社は鉛筆を転がして決めましたよ(笑)。いくつかもらった内定先がどれも魅力的で、本当に選べなかったので。

セリナ

え!そうなんですか!?

横尾さん

そうです(笑)。ただ、どこで活動するにしても、自分が出会った課題に対して動くことは重要だと思います。常に社会の動きを見ながら、今自分ができる課題を探します。一旦就職したからといって、ずっと探していればまた別の課題が見つかるかもしれない。こうしているといつの間にか自分の引き出しが増えて、自分なりの解決方法の選択肢が広がっています。今の時代、大学や大学院を卒業してすぐの就職が最後じゃなくて、転職もよくあることですし。起業も、政治家になることも選択肢の一つです。

セリナ

常にアンテナを立てておく、大事ですね!

横尾さん

大事です!よく、良いアイデアってどうやって出しているんですか?って聞かれるんですが、アイデアを100個出してみたら良いアイデアも見つかると思います。でも100個って、引き出しが多くないと、そう簡単にたくさん出てくるものではありません。いろんな分野の知識を組み合わせてみたりもします。これだ!って決めつけないで、常に考え、常にニュートラルにいることです。

カッコ悪いおじさんになりたくない

セリナ

横尾さんの、今後の世界観を教えてください。

横尾さん

グリーンバードの代表にしても、正直いつまで続けているかわかりません。。すでに10年以上活動していて、自分なりのやり方が見つかってきています。あと少しのところは自分じゃなくても、他の人がやってくれればいいです。ずっとしがみついて、“カッコ悪いおじさん”になりたくないですから(笑)。ここで得たスキルを他で生かそうと思います!

セリナ

固執しすぎないんですね!今後やりたいことというのは具体的に決まっていますか?

横尾さん

やりたいことや実現したい夢はたくさんあるのですが、死ぬまでやり続けたいものは見つかっていません。ひょっとしたら、そんなのないのかもしれません...。ただし、今やっていることは何でも全力でやります。すごい大人は先の将来まできちんと考えている、という固定観念を持つ学生が多いように感じるのですが、実際そんなことないですし、私はその考え方が苦手なんです。小学生くらいの時に思い描いていた将来の夢なんて、1つも実現できていません。もちろん想像するのは大事だけど、将来のことは正直分かりませんし。今AIがこんなに発達しているなんて、数十年前には分からなかったことですよね。

セリナ

確かに、この先どうなるかなんて分かりませんもんね。
最後に、学生時代に積んでおくべき経験を教えてください。

横尾さん

社会人のひとから経験を聞くことはとてもいいことだと思います。ぜひ自身の人生に役立ててください。一方で思うのは、社会人は時に失敗やそのプロセスを忘れ、あとでいいようにストーリーを組み立てて学生さんに伝えている場合が大半ですから、あまり聞きすぎないように!あと、上の世代が解決できていないことが社会課題として残っているんですから、上の世代が考える解決策については、一切参考にしてはダメです。ただし、経験を聞くか聞かないかは自分次第。教えてもらったことを鵜呑みにするのではなく、自分に役立つように使ってくださいね。ちなみに、私の「社会を変える」のはじめかた―僕らがほしい未来を手にリンクする6つの方法
という本を読めば全部わかります!(最後に宣伝でごめんなさい。)でも、ぜひ読んでみてください!

セリナ

読んでみますね!本日は貴重なお話をありがとうございました!

横尾さん

ありがとうございました。


最後まで読んでくださってありがとうございます。

個人的に、学生のうちは辞めたい放題という考え方が印象的でした。
まず挑戦してみて違ったら辞めればいい。
それくらいに考えていればどんなことでも挑戦しやすいですよね。

皆さんもぜひ、横尾さんの本を参考にしてみてくださいね。
それでは、次回のインタビューもお楽しみに!

ライター紹介

セリナ

早稲田大学国際教養学部1年生。バカレッジ新人です。好きなことは、旅行、チアダンス、ピアノ。

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