東京大学で入った部活は男声だけの合唱部。音大生にも劣らぬ高音の歌声!

東京大学で入った部活は男声合唱部。
パートはカウンターテナー!?

東京大学の学生なのに音楽大学の学生に混ざって合唱の全国大会で上位入賞してしまう根岸優至さんです。

合唱部をより良くしようという思いから、自らアカペラサークルに声楽の勉強、オペラまで練習しちゃいました。

今回のインタビュアーはセリナです。
それでは、どうぞ。

珍しいカウンターテナー

セリナ

根岸さんが歌うカウンターテナーというのは合唱の中でどういうパートなんですか?

根岸さん

男性が裏声で歌うパートです。普通の男声合唱だったら、テノール(2パート)、バリトン、バスの計4パートなんですが、テノールの更に上でカウンターテナーが歌う場合があります。

セリナ

カウンターテナーはどういう役割なんですか?

根岸さん

始まりは、中世の西洋の教会で男性が女性のパートを歌ったことによります。当時の教会では女性が歌ってはいけなかったので。以来カウンターテナーは、男性でもきれいな高音を出せるパートになっています。


▲歌う根岸さん

男声合唱団との出会い

セリナ

大学入学前から、大学生になったら歌をやろうと思っていたんですか?

根岸さん

いいえ!むしろ高校まで部活動でバレーボールをしていた影響で、大学でも最初はバレーボールのサークル2つに入りました。

セリナ

そうだったんですね。バレーボールは途中で辞めて、切り替えたんですか?

根岸さん

そうですね、せっかくだから大学では今までやってこなかったようなことや諦めていたようなことに挑戦してみたいと思い、合唱を始めることにしました。ただ、実は歌と並行してバレーボールも、高校部活動のコーチとして細々と続けていました。

セリナ

そうなんですね。それで今の合唱部に?男性だけの合唱団ってなかなか見ないですよね...。

根岸さん

はい。どうせなら凄そうなところでやりたいな、と思って1年生の冬に入りました。自分のカウンターテナーの声を試してみたい気持ちがあり、団体を探していたところにたまたま見つけたんですよ。

セリナ

とてもいい団体に巡り合いましたね!

根岸さん

そうですね。初めは自分がどのくらいのレベルにいるのかを試したいと思って入ったのですが、色々活動してみて「意外と楽しいかもしれない」と歌が好きになっていきました。


▲卒業記念リサイタルでの合唱の様子

合唱の為に

セリナ

では、合唱部に入ってからの活動を教えてください。

根岸さん

部活に入って数か月後、演奏会を見た友人から「音程がイマイチだった!」と言われたのが悔しくて、もっと練習する必要性を感じました。合唱部の為に何ができるかなと考えた時に、自分が人の何倍もうまくなって部全体の出来を底上げしたいと思いました。

セリナ

それが合唱に本気になったきっかけですね?

根岸さん

そうですね。この頃、合唱にも生かせると思い、別にアカペラのサークルと声楽を始めました。アカペラはハーモニーを生み出すのでチームスキルが磨かれると思ったからで、声楽は逆に個人スキルを上げられると思ったからです。


▲アカペラサークルにて


▲声楽を学んで歌う様子

セリナ

合唱の上達をちゃんと考えていたんですね。

根岸さん

そうですね。 色々手を付けましたがその中でもやはり「合唱部」ってカッコイイんですよ(笑)。だから、アカペラや声楽との両立が結果的に音楽部合唱団の成功に繋がったらいちばん嬉しいなと思っていました。

セリナ

なるほど。実際合唱の方は上達しましたか?

根岸さん

上達したと思います。2年生の12月の定期演奏会で初めて好評を頂けました!また、8月に初めて声楽コンクールに挑戦したのですが、いきなり優秀賞をいただくことができました!大学生部門は予選から音大生や藝大生、声楽経験者の方々ばかりで大変でした…。

セリナ

いきなりすごいですね!相当練習したんですよね?

根岸さん

そうですね、自分なりには猛練習しました!自分にとって雲の上の憧れの人たちだったので、もう1回一緒に歌うために絶対予選に通ってやる!という思いで受験しました。

セリナ

それで優秀賞って...!

根岸さん

通過したら奇跡!くらいの気持ちだったので、これはもっと練習したらもっとたくさんの人たちと歌えるんじゃないか!?という期待が一気に膨らみました。

セリナ

そうなりますよね!

根岸さん

はい。その後も練習して、2年生の終わりに出場した他のコンクールでは全国大会で3位になったりもしています。

セリナ

全国3位って、なかなかすごいですよね。

根岸さん

この大会では、その後も全国2位(最高位)、全国1位と順位を伸ばすことがができ、自分の成長を実感できました。2年生の春休みには、もっと刺激を受けたい、と思うようになり、ソロの力を磨こうとオペラサークルにも入ることにしました。


▲オペラを歌う根岸さん

セリナ

合唱だけでなくアカペラや声楽もやっているのにさらにオペラですか。色々やってますね。

根岸さん

可能な限り色々な知識を吸収したいと思っていました。3年生に進級するこの時期に大学生でしか出来ない最後の挑戦をしたいと思い、生活の中で歌を一番優先することにしました。

セリナ

歌をやり切りたいという思いが強かったんですね。

根岸さん

はい。自分の中で1番嬉しかったのは、全日本学生音楽コンクールという権威のある大会で1年目にして予選突破、東京大会入選をいただけたことです。「のだめカンタービレ」にも登場する有名なコンクールなんですよ。

セリナ

それはきっと難しい大会なんですよね...?

根岸さん

多分…(笑) カウンターテナーで目指すのは大変だと思います。当時は奇跡が起きてほしいとの思いで挑戦しましたし、今振り返っても本当に貴重な経験だったと感じます。あとは、少しですがテレビ番組でご紹介いただいたり、アニメのバックコーラスに参加させていただいたり、クラシックの音楽事務所に挑戦したりもしました。

セリナ

すごい!

根岸さん

事務所の応募も「今しかできない」と記念受験のつもりだったので、通過させていただいて本当に嬉しかったです。今は大学最後に、テレビ東京系テレビ番組の「theカラオケ☆バトル」出演を目指して猛練習しています。

歌は平等

セリナ

根岸さんにとって、歌の魅力って何ですか?

根岸さん

歌は、誰にでも平等にチャンスを与えてくれると思います。そこが魅力ですね。

セリナ

平等に、とは?

根岸さん

まず、歌おうと思ったら誰でも歌って自分をアピールすることができます。現にカラオケや音楽の授業など、スポーツなどと比べて気軽に楽しめる機会が多くありますよね。それから、資格がないと大会に出られないなどとという制限もありません。スポーツの大会よりもはるかに始めるハードルが低いと思います。

セリナ

たしかに、歌は一人でも歌えますもんね。

根岸さん

はい。それと特に合唱に言えることですが、歌はごまかしが効きません。本番1回きりです。

セリナ

合唱だと、協調できているかが聞き手に分かっちゃいそうですね。

根岸さん

はい。チーム力や、本番までどれだけ頑張ってきたかというのがしっかり伝わります。良く言えば相手に自分の思いを直接届けられるということでもあると思います。スポーツや仕事に比べて残酷だけど分かりやすいというのは歌の魅力のひとつですね。

歌をずっと好きでいたい

セリナ

根岸さんは大学4年生になりましたが、歌はこのまま続けるつもりなんですか?

根岸さん

うーん、就職先が決まったこともあり、一旦自分の進路に集中しようかと思っています。

セリナ

もう歌は辞めてしまうんですか?

根岸さん

先程紹介したテレビ番組への出演に懸かってます!もちろん、両立できたら嬉しいですよ。でも今はそれ以上に、もっと広い日本の経済のために少しでも「この国で働いて良かった」と思える社会に貢献したいと考えています。歌は、細く長く続けたいです。願望ですが、生きている間に藝大に合格だけでもできると嬉しいですね。

一歩一歩

セリナ

読者にメッセージをお願いします。

根岸さん

目の前のことをひとつひとつやってみるのが大切だと思います。たとえそれが小さなことであっても構わないので。

セリナ

目の前のことに取り組む、ですか。

根岸さん

はい…、在り来たりですね(笑)。目の前の課題に対して自分ができることを考えてみるのが第一歩になると思います。私も部活のためにできることをしようと思って歌の上達を目指しました。

セリナ

考えて動くことで目の前のその活動ももっと楽しくなりそうですね!本日はありがとうございました。

目標に向けて

合唱を上達させるためにアカペラ、オペラ、声楽など、色々な方向からアプローチするなんて、よっぽど強い思いがないとなかなかできないですよね。
その成果からかこんなに立派な成績を持っているのにもかかわらず、最後まで謙虚な方でした!さすがですね。
自身の「合唱に力を入れたい」という思いと合唱部をより良くしたいという思いが合わさると、こんなにもすごい結果を残せるんですね。
私も身近なところから課題を見つけ、いろいろなアプローチをしてみます!

ライター紹介

セリナ

早稲田大学国際教養学部2年生。好きなことは、旅行、ピアノ、音楽鑑賞。

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