ダサいのだけは勘弁。「笑われたい」一心で芸人に転職したら、キングオブコント決勝まで進んだ話#個性派お笑いバカ

初めてテレビでネタを見た時は、これキャラ作ってるのかな、と思いました。

お笑い芸人、タイさん。やさしいズというコンビでボケを担当されています。恐らく、あ、知ってる!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。それもそのはず、今回インタビューしたタイさんは、2018年のキングオブコントのファイナリストなんです。

そんな方なので、ダメ元でインタビューを申し込んだところ、まさかのOK。お忙しい中、我々の取材に快く応じてくださいました!

緊張のあまり意味不明なことばかり質問してしまいましたが、インタビューを通してしか聞けないようなタイさんの詳しい生い立ちや価値観まで、広く深くお聞きしてきました。

ここでしか知り得ないキングオブコントファイナリストの裏話、是非ご一読ください!

⚠️インタビューに入る前に、是非タイさんのコントをご覧ください!!⚠️
劇場でのネタ
お笑いチャップリン(テレビ番組)でのネタ
⚠️インタビューに入る前に、タイさんのコントをご覧ください!!⚠️

天才肌!意識せずともやさしいネタが生まれる。

かま

今日はよろしくお願いします。

タイ

よろしくお願いします!


▲タイさん。お笑いコンビ「やさしいズ」のボケ担当。

かま

「やさしいズ」っていうコンビで活動されてるということですが、コンビ名かなり独特ですよね(笑)。

タイ

ダサい方が目立つだろうなと思って。よく由来を聞かれるんですけど、深い意味はないんですよ。

かま

そうなんですね。いつ頃その名前に決められたんですか?

タイ

養成所時代のネタ見せの時です。やっぱ大勢いるので、目立つ名前の方が良いなと思いまして。

かま

なるほど。やさしいネタが多いように感じたので、勝手にコンビ名もそこに由来してるのかと思ってました。

タイ

いや、全く関係ないです。やさしいネタが多いってこともよく言われるのですが、僕自身全く意識して作ってないので。

かま

そうなんですね。意識せずとも自分のスタイルって固まっていくものなんですか?

タイ

分からないですけど、少なくとも僕は意識してないです。やさしい世界観が好きなのが無意識に作用してるんだと思います。「朝起きてカーテン開けたらめっちゃ綺麗な朝日が差し込んできて、コーヒー入れたらめっちゃ美味い」とか。どう考えても上手く事が運び過ぎだろ、みたいな流れが好きなので、それが影響している んじゃないでしょうか。

かま

なるほど。特にネタ作りで意識されてい 点ってありますか?それとも全てフィーリングですか?

タイ

初めて見る人にも分かりやすい構成にするようには気をつけています。「伏線回収した」とか中々分からないと思うので。

「やりたい」という気持ちが全て。安定を捨て芸人に。

かま

もともと広告代理店にお勤めされていたということなんですが、そうなると学生の頃からお笑い芸人になろうと思っていたわけではないんですか?

タイ

いや、めちゃくちゃなりたかったです。でも親に反対されて、「一時の迷いかも」と自分を納得させ取り敢えず就職しました。

かま

そうだったんですね。お母さんとしては安定した生活を送って欲しいものですよね。

タイ

そうですね。一般的な考えの母親なので、「私を殺してから行きなさい」とか言われてしまって(笑)。

かま

相当強く反対されてしまったんですね(笑)。広告代理店はつまらなかったんですか?

タイ

いや、それが、職場の雰囲気も良くて楽しかったんですよ。なので辞めるかかなり迷ったんですが、お笑い芸人になりたい気持ちが強くなってしまい結局やめることにしました。

かま

ポジティブな理由からだったんですね!

タイ

そうっすね。就職して2年くらい経ってもまだなりたかったので、後悔したくないし転身することにしました。

かま

尻込みしませんでした?

タイ

あんまり。そもそも、お笑い業界が世知辛いとか詳しく知らなかったし調べませんでした。とにかく「なりたい」って気持ちが強すぎて、気になりませんでした。

かま

そうは言っても普通、上手くいくかどうか気になってしまうものじゃないでしょうか?

タイ

じゃあ仮に、60歳までサラリーマンをやったとして、そこで「ああ、やっぱり芸人になっとけば良かった」って。それ超絶ダサいじゃないですか。上手くいくかどうかとか差し置いて、それだけは絶対に嫌だったんですよ。やらずに後悔するくらいなら、やって後悔する方がマシです。


▲口調はネタ中より穏やかだが、熱い想いは伝わってくる。

「ズルいわ〜」が原動力になった。

かま

学生の頃からお笑いをやりたかったということなのですが、いつからそう思うようになったんですか?

タイ

高校生の頃です。幼少期からお笑いは好きで見ていたのですが、この頃ちょうど『はねるのトびら』が始まって、空前のお笑いブームだったんですよ。

※『はねるのトびら』:ゼロ年代からテン年代初頭にかけて放映されていたバラエティ番組。インパルスやロバートなど現在でも活躍する芸人たちが多く出演していた。

かま

あ〜。『はねトび』ですね。

タイ

そうです。で、僕は新宿経由で高校 に通ってたんですけど、新宿経由で通うとなると、当たり前ですが新宿で遊ぶんですよ。そうなると新宿にはルミネの劇場があるので、お笑いブームだったこともあるし、そこで当時まだ若手だったインパルスさんとかロバートさんのネタを見よう、っていう流れになるんですよ。

かま

要するにそこで感化された、と。

タイ

そうです。

かま

タイさんの心を動かしたキーパーソンはいるんですか?

タイ

佐久間一行さんっていう人がいるんですけど、この人がマジで面白すぎたんでよ。一人で舞台上でガンガン爆笑とってて。それ見た時、ズルいなと思ったというか、めっちゃ気持ち良いだろうなと思ったんですよね。当時、僕はかなり目立ちたがり屋だったのですが、初めて「お笑いが好き」ってだけじゃなく、「あの舞台に立ちたい」と思いました。それから自然に、芸人を目指すようになっていました 。


動画
▲佐久間一行さん。タイさんの「やさしい」ネタのルーツが垣間見える。

「試合に勝つ」より「笑われたい」。

かま

目立ちたがり屋だったのは昔からですか?

タイ

多分、中学生の頃からだったと思います。たまたま小学校で同じだった友達と別の学区の中学校になってしまって、そこから積極的に学校で目立ちにいった頃からだと思います。

かま

具体的にどういうこと をしたんですか?

タイ

マジで面白くないですけど、隣のクラスに行ってバレずに授業中ずっとロッカーに入ってて、終盤になったら出て行って皆んなを驚かせたりとか。あとは文化祭の MCをやったり、とかですね。

かま

あ〜。(いや、俺も似たようなことやってた!と言いたかったけど緊張のあまり何も言えず。)

タイ

今考えたら、人生で一番オモシロくなかった時かもしれないですね、やってることが(笑)。まあでも皆んな笑ってくれるので、それが快感というか。

かま

なるほど。でも学生時代、空手とかもかなり本格的にやられてたみたいじゃないですか。そういうスポーツの試合で勝って目立つのではダメだったんですか?

タイ

うーん、笑ってもらえる方が嬉しかったですね。

かま

そうですか。決められたルールの中でテッペンを取るんじゃなくて、型破りな方法で目立ちたかったんですかね。

タイ

そうかもしれないです。分からないですけど(笑)。

かま

空手の型じゃないですけど、お笑いにも型ってあるんですか?それこそお会いするまで、タイさんのネタ中のキャラって作ってるのかなと思ってたのですが。

タイ

そりゃ多少作ってますよ!

かま

ですよね。普段のご性格もネタ中と大差ないように思うのですが、まさか作ってるとか?

タイ

いや、意図してやってたら…ダサくないすか(笑)。

かま

あ、失礼しました(笑)。他のキャラ強い芸人さんとかも、やっぱり皆さん普段からああいう感じなんですか?

タイ

そうだと思いますけどね。レインボーとかも普段からああいう感じですよ。

かま

それは驚きです!!そうなんですね…


動画
▲レインボー。これが素だとは!日常生活にも何らかの弊害が出そう。

学生に一言

かま

タイさんのバックグラウンドが良く分かりました。ありがとうございます。最後になりますが、学生に対して一言お願いします。

タイ

やると決めたらやりきるようにして下さい。それが何よりも大切です。難しそうなことでも「どうしよう」と考えてる時点で既に一歩踏み出せてるので、後はそんな感じで進めていけば良いだけです。

かま

有難うございます。一つ気になったのですが、今までお話を聞いてきた感じだと、タイさんは先を見据えて毎日を噛み締めながら生きよう、という感じではないんですね?

タイ

そうですね。「明日死ぬかもしれない」なんて常に思ってたら疲れちゃうじゃないですか。先ばかり見ていても答えは出ないし何より疲れちゃうので、取り敢えず今日を楽しむべきだと思います。

かま

なるほど。タイさんの考え方がインタビューを通してよく分かりました。お忙しい中、有難うございました!

タイ

有難うございました!

「ダサいのは嫌じゃん」を突き詰めた人生

タイさんは、特に「ダサい」ということに敏感な方だな、とインタビューしていて感じました。「やらずに後悔するのはダサい」「自らウケ狙ってキャラ作るのはダサい」。かっこ良いな、と思いつつ何か自分 の考え方と異なる面も感じていました。

というのも、恐らく僕はそれほど「ダサい」ということに抵抗感がないんですよね。良くも悪くもプライドが人より低いからなのか、少しダサくても良いんじゃないか?と思ってしまう。

そこで思うのが、大切なのはやはり「何か一つ揺るがない行動の基準を持つ」ことなんじゃないかと思います。タイさんの場合は恐らく無意識のうちにそれができてしまっていますが、一般の方々だと周りの意見に流され、自分の考え方の軸が定まらない、という人も多いのではないでしょうか。僕もわりかしそうです。

その基準が「ダサいから〇〇しない」というものじゃなくとも、何かしらの生き方の軸や指標を持って行動すれば、タイさんのようなかっこ良い人になれるのではないかと思いました。(その秘訣を聞いてくれば良かった!)

ご一読いただき有難うございました。

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ライター紹介

かま

早稲田大学在学中、特待生としてUCLAに編入。帰国後、オリジン弁当早稲田大学正門前店にて週5勤務。全部ウソです。

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