相手の心理を100%読み解けるか?世界レベルの腕前を持つ#フェンシングバカ の10年間

みなさんの周りにフェンシングをしている方はいますか?

今回のインタビューは世界レベルの腕前を持つ#フェンシングバカ なのですが、私はそもそもフェンシングのルールすら知らないところからスタートしてしまいました…。

しかし、安心してください!
そんな私と同じような超ド級のフェンシング初心者でも楽しめるインタビューになっています。

フェンシングの為なら転校、海外遠征、留学、なんでもしちゃう、早稲田大学2年生の小山桂史さん。
全国で実力を見せつけ世界で戦うものすごい腕前の持ち主です。

*フェンシングのルールを知りたい方はこちらも参考にしてみてください♪

フェンシング人生は○○から始まった!?

セリナ

小山さん、今日は宜しくお願いします!早速ですが、フェンシングって結構マイナーなスポーツですよね。そもそもどうして始めたんですか?

小山さん

小学校4年生の時にイギリスに1年間留学していて、現地校での*アクティビティとしてフェンシングを選んだのが始まりです。

*アクティビティ:いくつかの種類のスポーツから自分の興味に合わせた選択ができる課外活動のこと。


▲小学生時代の小山さん

セリナ

え!?小学生のうちから留学ですか?お一人で?

小山さん

はい。もともと親の海外志向が強くて、日本と海外の考え方の違いを学んでおいてほしいと思っていたようです。私よりも早い時期にイギリスに留学していた姉の帰国後の報告会に参加したときに、イギリスのお菓子を美味しくいただいていたところで、母に「そのお菓子はイギリスに行っても食べられるんだよ」と言われ、うまく誘導されました(笑)。

セリナ

そうだったんですね。ご両親の影響だったとは。それでイギリスに行くことになって、現地でフェンシングを始めたんですね。

小山さん

はい。アクティビティを決める前に色々なスポーツを見学したのですが、フェンシングは日本で見慣れなかったのでやってみたいと思いました。

セリナ

イギリスというとスポーツが盛んなイメージがあります。

小山さん

そうですね。他にも、射撃やクリケットなど日本では珍しいスポーツもありました。フェンシングは、ヨーロッパの他の国に比べたらイギリスではそこまで競技人口は多くなく、1年目の私でも地域の試合で上位に行けるほどでした。


▲フェンシングに夢中な小山さん

フェンシングのためにまさかの転校

セリナ

1年目から上位ですか。当時から小山さんには実力があったんですね。イギリスから日本に帰ってきてからもフェンシングをやってたんですか?

小山さん

はい。イギリスにいるうちから、帰国してもフェンシングを続けたいという思いはありました。ただ、そもそも練習をどこでするかというところから考えなくてはならず…。実家のある名古屋にはいい練習場所が見つからず、結局岐阜県にフェンシングクラブを見つけて、小学生のうちは週1ペースで通っていました。

セリナ

岐阜県まで毎週通っていたんですか!

小山さん

はい。そして、中学2年生の時に、自分のしたいサーブルという種目に専念するために岐阜に転校しました。

セリナ

いくらフェンシングをやりたいからって、転校までするんですか!?普通は、練習に通うのが大変だから諦めよう、とかってなりそうなのに。

小山さん

そうかもしれませんね。でも私の場合は、中学校に上がる時にフェンシングの道に進むことを決めて以来、フェンシングを頑張ろうと決意したので。フェンシングを中心にした生活をしていました。

2年連続優勝で確信に

セリナ

そうだったんですね。中学時代にフェンシングで印象に残っていることはありますか?

小山さん

先程言ったサーブルという種目を始めたのが中学に入ってからだったのですが、それでも全国大会に出場できたんです。しかも、2年、3年と連続で優勝しました。

セリナ

2年連続優勝ですか!すごいですね!

小山さん

ありがとうございます。このお陰でフェンシングで結果を出せると感じ、このまま続けようと思いました。

セリナ

なるほど。では、高校ではさらに力を入れたということですか?

小山さん

そうですね。東京の通信制の高校に進学して、学校以外の時間は国立スポーツ科学トレーニングセンターという、日本代表が練習するような施設に通ってフェンシングの練習をしていました。授業後にフェンシングをしたり、授業がない日は一日中フェンシングをしていました。

まさかの予選敗退も…

セリナ

まさにフェンシング漬けの生活ですね。そんな高校時代の結果は?

小山さん

日本では、高校2年生のインターハイで個人2位になりました。3年生の時はまさかの予選敗退となってしまったんですけどね(笑)。

セリナ

え、まさかの結果ですね。みなさん驚いたでしょうね。

小山さん

そうですね。でもフェンシングって常に勝ち続けることが難しい競技でもあるので、それも他の競技とは違うフェンシングの魅力の一つなんですよ。

セリナ

そうなんですね。では、海外では?

小山さん

中学から高校にかけて、全体的に海外遠征が多かったです。試合の為に飛び回っていました。

セリナ

例えば、どのような国に行くんですか?


▲中国遠征の際のお写真

小山さん

メジャーな国だと、イギリス、フランス、ドイツ等ですかね。あとは、ポーランドやサウジアラビアとかです。

セリナ

サウジアラビアって旅行ではなかなか行かないですよね。ある意味貴重な経験ですね!当時の結果はどうでしたか?

小山さん

結果って、良い結果も悪い結果も忘れちゃうんですよね(笑)。

セリナ

ありすぎてですか?

小山さん

そうですね(笑)。覚えている範囲だと、個人では結果を出せていないのですが、団体では結果が出ています。世界ジュニア選手権ではベスト8、世界選手権ではベスト16に入りました。

セリナ

世界選手権って、すごい大会なイメージです...。

小山さん

この世界選手権は、もっと勝ち進めばリオオリンピックのメイン会場で試合ができるという大会だったんです!結果負けちゃったから私は出られなかったんですが。

セリナ

そんな大きな大会なんですね。そこでベスト8ですか。

小山さん

はい。そんな大会に出させてもらえて、その時はとても緊張しました。

セリナ

小山さんも緊張するんですね。

フェンシングで学んだこと

セリナ

大学生の今はどのような感じなんですか?

小山さん

大学に入ってからは、正直あまり結果を出せていません。年齢的にシニアという一番上のカテゴリーになり、ライバルとなり得る人も増えました。

セリナ

経験を積むほど厳しい世界になっていくんですね。

小山さん

はい。その為、実力アップを目指して1年前の春に半年間海外にフェンシングを学びに行きました。本当はその成果を今頃発揮している予定だったんですが、なんと帰国直前に怪我をしてしまって、数か月フェンシングができない状態が続きました。

セリナ

これから頑張ろう、ってところだったのに...。

小山さん

そうなんですよ。でも今はもう治って安定もしてきているので、これから結果を出していきたいと思っています。

セリナ

帰国後、怪我で思うようにフェンシングができなかった期間はどのようなことをしていたんですか?

小山さん

その期間も、結構フェンシングのことを考えていました。それもそのフェンシング留学で学んだことの影響なんです。

セリナ

どのようなことを学んだんですか?

小山さん

今までの自分とは違う、フェンシングへの取り組み方を学びました。現地では、想像以上に四六時中フェンシングのことばかりを考えているような環境でした。例えば、休憩中も常に後輩が先輩から自分ができていないところのアドバイスをもらうというような具合です。

セリナ

日本とは全然違う環境なんですね。

小山さん

はい。これを受けて自分の中で変わったことがあって、もっとフェンシングのことを考えてみようと思うようになりました。今まではなんとなくフェンシングをして、ただ単に頑張るという感じだったのですが、これからは人の100倍200倍フェンシングのことを考えようと思うようになりました。“頭を使ったフェンシングをする”というのが今の私のスタンスです。

セリナ

スポーツも体力だけじゃなく、頭脳も必要ということですね。


▲大学での部活の仲間と

考えるということ

セリナ

今までのフェンシング人生で一番印象に残っていることはありますか?

小山さん

うーん、特にないです。フェンシングは、単純に好きという感情でやっているので、特別に印象に残っている出来事というのはありません。ただ、今までに色々やってきたことが全て繋がって今がある、というのは感じますね。

セリナ

そう言い切れるのって、かっこいいですね。では、大学2年生も終わろうとしていますが今後もフェンシングを続けていくつもりですか?

小山さん

うーん。今、ちょうど悩んでいるところなんです。1年もしないうちに就職活動ですから、それまでにある程度決めなくてはいけないと思っていて。大学に入って結果が出ていないという事実があるので、1年後の大学3年の終わりまでに結果が出ないままだったら、フェンシングを辞めて普通に就職活動をするかもしれません。

セリナ

ここまで来たら結果を出してフェンシングの道に進みたいですよね。

小山さん

そうですね、できればいいなとは思います。4月からまたフェンシングのシーズンになり試合が本格的に始まるので、そこからが勝負ですね。その為に、今が大事な時期です。フェンシングを辞めない選択肢を取れるよう頑張っていきます。

セリナ

そこまでやりたいと思えるフェンシングの魅力って、何ですか?

小山さん

先ほど言ったように、留学のお陰で考えるフェンシングをするようになれたので、頭を使うところに楽しみを感じています。今までは自己中心的に考えて、ただ結果を求め、自分が上手になりたいと思っていたんです。そのせいで、自分に対してストレスを感じることもありました。試合では相手のフェンシングと自分のフェンシングそれぞれの特徴を押さえた上で、相手のスタイルに合わせつつ自分のスタイルにするのが理想なのですが、両方のバランスを取るのがなかなかできなかったんです。そういった中で、今では自分がどういうフェンシングをするかということを大事にしながら試合をすることができるようになりました。

セリナ

頭を使って自分のフェンシングをするんですね。

小山さん

そうですね。それに、フェンシングをしていない時でもそういうことを考えるようになりました。しかもそれが苦痛でも何でもなく、日常的に行うようになったんです。あとは、みなさんにフェンシングの楽しさをもっと知ってもらいたいですね!

セリナ

知るにはどうしたらいいですかね...?

小山さん

話を聞くのもいいんですが、やっぱりこの面白さはやって体感してほしいです。他のスポーツにはない、フェンシングならではの面白さというものがありますから。都内でもできるところはありますよ。

セリナ

小山さんからお話を聞いて、私も一度フェンシングを体験してみたくなりました!フェンシングならではの面白さを、ぜひ小山さんの口からも教えてください。

小山さん

フェンシングって、相手の心理と自分の心理を全部加味して考えなくてはいけないんです。それができる人が勝つわけなんですが、まあ、実際相手が考えていることを100%読み取れる人なんていませんから、基本的に、毎試合勝つ人が同じということはありません。その時のコンディションや戦略によって変わるのが普通です。戦略にも選択肢がいっぱいあるから、相手が気づかないところに自分の優位性が隠れている、ということも大いにあり得ます。

セリナ

なるほど。毎回試合結果が変わる、というのは面白いですね。

小山さん

そうですね。もう少し詳しく言うと、15本先取の試合で3対8くらいで負けていたとしても、経験や自身の実力を踏まえた分析と戦略、アプローチ次第では試合中でもまだまだ勝ち目があるんですよ。だからこそ負ける可能性もあるけど、他の競技に比べて勝てる可能性が高いんです。それって魅力的じゃないですか!?

セリナ

たしかに相手の心理を探りながらというところはとても楽しそうです。勝てる可能性が高いというのも、最後まで諦めず戦え続けますよね。

何かに本気になる

セリナ

それでは最後に、バカレッジ読者にメッセージをお願いします。

小山さん

はい。何をするにしても、本気でやるといいと思います。私の場合はそれがフェンシングだったわけですが、みなさんにとっても一緒で、それが遊びだったとしても良いと思います。せっかく若いんだから、そのエネルギーを活かして行動できたらいいかな。

小山さん

何か打ち込めるものがあるのと無いのとでは、充実度が全く違ってくると思いますよ。

セリナ

たしかに、そうかもしれないですね。私ももっと打ち込める何かを見つけたいなと思います。本日はお話ありがとうございました。

小山さん

こちらこそ、ありがとうございました。

何年分ものフェンシング愛

小学校4年生の留学で始めたフェンシングを続けることおよそ10年。
そして、今だからこそ見えてくるフェンシングの新たな魅力。
お話しする中で、フェンシング愛をたくさん語ってくださり、初心者の私もとっても興味が湧きました!
みなさんも、小山さんのように、若いからこそ打ち込める何かを見つけられるといいですね。

まだまだ知られざる魅力がたくさん詰まっていそうなフェンシング。
オリンピックの種目でもありますから、今後もますます期待されますね。
ぜひ、注目して見てみてくださいね。

ライター紹介

セリナ

早稲田大学国際教養学部2年生。好きなことは、旅行、ピアノ、音楽鑑賞。

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